エリヤフ・ゴールドラット(ダイヤモンド社)
面白さ ☆★★★★
勉強になる ★★★★★
総合評価 ★★★★★
製造業の工場での生産性改善についての考え方を、小説風に解説した本。
投資銀行時代の同僚に薦められて読みましたが、とても面白かったです。
初版は1984年、日本での発売は2001年という事で、現代とはかなり考え方が変わる部分もあるように思いますが、「根幹」の学びは日ごろの資料作成や日常生活でも応用できる考え方のように思います。
また、製造業の工場運営等ではこの本からの学びを現代でもそのまま使える現場が多いのではないかと感じました。
あらすじ
とある機械製造企業の工場長を務める主人公のアレックスが、担当する工場の生産性および利益率が芳しくなく、経営層から早急な改善に対する強いプレッシャーを受けて悩んでいるところから話が展開。
ある時、大学時代の恩師ジョナ(物理学者)と空港で再会して、何の気なしに悩みを相談したところ、ジョナは瞬時にアレックスの工場で起こっている問題を理解し、「あなたが求める生産性的とは?」という問いを残して去っていく。新規導入の生産設備をフル稼働させること?従業員を休みなく働かせること?それとも、、?そしてアレックスが自分自身で導き出した考えをもってジョナに答えを提出すると、また次々と新たなの問いを与えられる。
それをアレックスは工場の経営幹部仲間と、試行錯誤しながら一つずつ解決し、企業経営の本当の目的や、あるべき姿を学んでいくストーリー。
主な学び
本書での主な学びは以下のポイント
- 「生産的である」とは、何であれ定められた「目標」に近づくこと
- 企業活動の「目標」とは「お金を稼ぎ続けること」
- 工場において重視すべき指標はスループット(売上高)、在庫、費用(生産に掛かった全費用)
「生産量」ではなく、あくまで現金化された「売上高」に着目することが重要
それが「目標」である「お金を稼ぐこと」を測る指標だから - ボトルネックと非ボトルネック
この本の中で最も学びが多かったと感じるセクション
作業の進行はボトルネックに合わせる形で進め、①ボトルネックに無駄な稼働はさせない(不良品はボトルネック前にはじく)、②ボトルネックを休ませないように、ボトルネック前に一定の在庫がある状態をキープ、③ボトルネックは常にフル稼働。 - ボトルネックが解消されたら、次のボトルネックを見つける
特に印象的だった学び
私はボトルネックと非ボトルネックのパートが最も印象的だったように思います。
ボトルネックは工場の製造ラインだけの話ではなく、例えば普段の資料作成(時間のかかる作業の分担を先に決めて、担当者に走らせる)でも、日常生活(子連れの外出準備の際は子供が常にボトルネックなので、次のタスクを常に与え続ける)でも使える考え方だと思いました。
また、ストーリーが進むにつれて、アレックスの目線が単なる「製造現場の管理者」から、「経営者」へと上がっていくのを感じることができたのは、小説仕立てだった効果だと感じています。
分厚い本ではあり、普段から経営管理等にかかわっていない方には取り掛かりにくい本にも思えるかもしれませんが、経営の考え方についてもアレックスと一緒にレベルアップできると思いますし、ぜひ幅広いビジネスマンに推奨したい本です。

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