私は基本的に不動産投資に大賛成で、可能な限り与信枠いっぱいまで借り入れを行って不動産を買いたいですが、一点、留意点として自宅購入のタイミングとの兼ね合いは考慮する必要があると思います。
実際私もこれのために、現状は賃貸用不動産は3件、8,000万円程度にとどまっています。
以下の事項は、私が自身の人生設計(3年後めどに新居を購入予定)を勘案して考慮している点ですが、全ての点において金融機関にもよりますし、個人の信用情報にもよるので一概には言えないという点をご理解いただければと思います。
自宅用ローンの方が与信枠が小さい
自宅用でも賃貸用でも、ローンを組む際には、金融機関が「与信枠」を設定します。
基本的には年収との比較で、「この人にならいくらまでお金を貸しても返してくれそうか」という枠で、一般的に自宅用ローンの与信枠上限は年収の7-10倍程度といわれます(夫婦共働きの場合は、夫婦の合算年収の7-10倍程度)。
一方で、賃貸用ローンは、金融機関によって年収の20倍程度まで借りられるとのことです。
なので、不動産業者はよく「それだけ年収が高ければもっと買えますよ」と言ってしきりに物件を紹介してきたりしますが、口車に乗って賃貸用物件を年収の10倍以上までローンで購入してしまうと、いざ自宅用の物件を購入しようと思った際には与信枠が残っていない、という事があり得ます。
そして、与信枠を確保するためにいくつか物件を売却するとなると、また不動産業者には手数料収入が発生、、、
賃貸用不動産のローンは基本的に負債カウント
上記とも関連しますが、賃貸用物件をローンで購入している場合、その金額は上記の与信枠から控除されます(=賃貸用ローンと自宅用ローンは別枠ではない)。
つまり、年収1,000万円の場合、通常であれば自宅用ローンの与信枠は10倍の1億円程度まで借りられるところ、賃貸用物件で4,000万円のローンが残っている場合、与信枠は1億円-4,000万円で、6,000万円になってしまうという事。
なので、自宅用物件の金額目安を設定し、そこに影響が出ない範囲で賃貸用物件を購入する必要があります。
賃貸収益を収入に加算することがある
ただ、(これも金融機関によりますが)一定期間安定して賃貸用物件が稼働し、収益が発生している場合には、この賃料収入は、年収に加算して考える場合もあるとのこと。
つまり上記の年収1,000万円、賃貸用不動産4,000万円保有の例で、年間200万円の賃料収入が発生している場合には、それも収入に加算して与信枠を判断してもらえる場合もあるとのこと(=年収が1,200万円と考えられる)。
ただし、その場合でも4,000万円の既存ローンの影響はあるので、与信枠は1.2億円-4,000万円で8,000万円程度に拡大するということ。
ただし、賃貸用不動産からの収益の考え方や、それを丸々年収に加算するかなど、金融機関によって大きく異なるようなので、結局は早めにいくつかの金融機関に相談することが必要となります。
その他の考慮要素
上記はごく基本的な要素で、そのほか勤務先・勤続年数・職種や、金融資産・家族構成など様々な要素が影響してくるので、繰り返しになりますが、実際に金融機関に相談してみる必要があります。
ただ、いずれにしても将来計画がある程度見えていない中で、与信枠いっぱい(=年収の20倍)まで賃貸用物件を買うのは、リスクを取りすぎという事は言えると思います。

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